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民泊コラム
豊島区、民泊条例を改正 ― 「年間180日」から「120日」へ、今後はどうなる?
東京都豊島区で、住宅宿泊事業(いわゆる民泊)に対する規制を強化する条例改正が動いている。池袋エリアを中心に民泊施設が急増する一方、騒音やゴミ出しトラブルをめぐる住民からの苦情も増加しており、区は「住環境の保護」を掲げて規制強化に踏み切った。ここでは、条例改正の経緯と、今後の見通しを整理する。
改正の背景
豊島区にはこれまで、民泊に関する独自の「上乗せ条例」は存在していたものの、23区の中では比較的規制が緩やかな区とされてきた。しかし近年、池袋北口周辺を中心に届出施設数が急増し、「夜間の騒音」「ゴミの放置」「不特定多数の出入り」といった苦情が区や町会に相次いで寄せられるようになった。こうした状況を受け、区は2025年9月頃から検討会を立ち上げ、条例改正に向けた議論を本格化させた。
議論の経過 ― 「84日案」から「120日案」へ
当初、区が示した改正の方向性は、営業可能日数を夏休み・冬休み期間に限定し、年間84日まで大幅に絞り込むという厳しい内容だった。これに対し、事業者側からは「84日では採算が取れない」との声が上がり、パブリックコメントや検討会での議論を経て、最終的には春休みも含めた年間120日という案に修正された。区域規制についても、住居専用地域・文教地区など区内の約7割の地域で新規開設を禁止する方向でまとまった。
条例は可決・施行済み
この改正案は2025年12月2日、豊島区議会で全会一致により可決された。条例自体は2025年12月15日に施行されているが、既存の事業者への影響を緩和するため、1年間の経過措置が設けられている。したがって、現時点(2026年8月)では既存施設は引き続き年間180日の営業が可能だが、2026年12月16日以降は、既存施設も含めてすべての民泊施設が年間120日の営業日数制限の対象となる。
改正条例の主な内容は次の3点にまとめられる。
営業日数の制限:年間180日 → 120日へ(春休み・夏休み・冬休みを中心とした期間に限定)
区域規制:区内の約7割の地域で、家主不在型の民泊の新規開設を禁止
既存施設への遡及適用:1年間の経過措置を経て、2026年12月16日から既存施設も新制限の対象に
今後の見通し
2026年12月16日の完全適用に向け、既存事業者は収益モデルの見直しを迫られることになる。年間営業日数がほぼ3分の2に減ることで、住居専用地域などで運営してきた事業者を中心に、旅館業法の許可取得への切り替えや、運営方針の見直し・撤退を検討する動きが今後さらに広がる可能性がある。
一方、区としては「全面禁止ではなく、適正な範囲での共存を図る」との姿勢を示しており、指導・勧告に従わない事業者名の公表制度導入も予定されるなど、既存ルールの実効性を高める取り組みも並行して進められる見通しだ。
豊島区の今回の規制強化は、墨田区など他の区でも同時期に同様の動きが進んでいることもあり、23区全体で民泊に対する「上乗せ条例」の厳格化が加速する流れの一例といえる。今後も区の公式サイトや議会審議の動向を注視する必要がある。
※本記事は2026年8月時点の情報に基づいています。最新の詳細については豊島区公式サイト(住宅宿泊事業法の条例改正ページ)をご確認ください。