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民泊コラム
大田区、旅館業・民泊の条例改正案を公表 ― 管理体制の厳格化へ(令和9年度上半期施行予定)
大田区は、旅館業法施行条例および住宅宿泊事業法(民泊)施行条例の改正案を公表しました。施行は令和9年度上半期を予定しており、現在パブリックコメント(区民意見募集)が実施されています。
観光需要の回復に伴い、騒音・ごみ・喫煙といったトラブルや、宿泊施設の開業に対する住民の不安の声が増えていることを背景に、今回の改正では管理体制と構造設備の基準を厳格化し、良好な生活環境の維持を図る内容となっています。
現在、この改正案について区民からの意見を募集するパブリックコメントが実施されています。詳細・意見提出は大田区の公式ページをご確認ください。
▶ 民泊等の制度改正案に対する区民意見等の募集について(大田区)
以下、主な改正内容を整理しました。
1. 旅館業法施行条例の主な改正点
新規申請の施設を中心に、管理体制と構造設備の基準が厳しくなります。
営業従事者の常駐義務化 苦情や緊急事態に迅速に対応できるよう、玄関帳場(フロント)等への管理者の常駐が必須になります。
玄関帳場・管理事務所の設置義務化 宿泊者の受付や管理体制を維持するため、玄関帳場と管理事務所の設置が求められます。
「一体的な管理」の義務化 玄関、フロント、客室が一体的に管理され、居住エリアと完全に区画された構造が必要になります。マンション内に客室が点在するような営業形態は認められなくなります。
2. 住宅宿泊事業(民泊)法施行条例の主な改正点
「住宅」としての本来の目的を維持し、周辺環境への影響を抑えるための制限が強化されます。
実施制限区域の拡大
住居専用地域等(旅館の建築ができないエリア)では、家主居住型・家主不在型を問わず、新規の事業実施が不可となります。
区内全域の小中学校の周囲100メートル以内の区域も、同様に実施不可となります。
営業可能日の制限 「生活の本拠」としての実態を保つため、営業できるのは原則として土曜正午から月曜正午まで、および祝日等に限定されます。
ICTを用いた管理の義務化 防犯カメラ等により宿泊者の出入りを常時確認・記録できる体制の確保が義務付けられます。こちらは新規施設だけでなく、既存の届出住宅にも猶予期間を経て適用されます。
3. 改正の狙いと期待される効果
現行制度では、管理者が施設に不在でも「徒歩10分圏内からの駆け付け体制」があれば認められるケースがありました。改正案ではこれを見直し、施設内への常駐を求めることで、トラブルの未然防止と即時対応の実現を目指します。
特に「一体的な管理」の義務化により、
苦情発生時の責任の所在が明確になる
近隣住民が「どこに連絡すればよいか分からない」といった状況が解消される
といった効果が期待されています。
まとめ
今回の改正案を一言でまとめると、次のようになります。
旅館業では、管理者の常駐・玄関帳場と管理事務所の設置・一体的な管理の3点が新たに義務化される
民泊では、住居専用地域や学校周辺での新規実施が不可となり、営業可能日が週末中心に限定される
民泊のICT管理(防犯カメラ等)の義務化は、新規施設だけでなく既存施設にも適用される
施行は令和9年度上半期を予定しており、原則として施行後の新規申請から適用されますが、民泊のICT管理義務化のように、既存施設にも適用される項目がある点には注意が必要です。
今後、大田区で旅館業や民泊事業を検討されている方、また近隣にお住まいの方は、条例改正の動向を引き続き確認しておくことをおすすめします。